中村 信弘特任教授

計量ファイナンス

プロフィール

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Education

昭和57年 京都大学工学部原子核工学科卒業
昭和59年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
平成元年 京都大学大学院工学研究科博士課程修了、
博士号取得(工学;superstring理論に基づく大統一理論についての研究)

Positions held

平成1年 エムテイビーインベストメントテクノロジー研究所 研究員
平成7年 同 主任研究員
平成12年 一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授
平成19年 同 教授

メッセージ

着任時より、計量系ファイナンスの講義を担当し、プライシング、リスク管理、投資戦略等のテーマを研究。現実の市場で実践しうる理論、モデル構築を目指しています。

研究業績等

 

Current Research and Activities

Stochastic Copula, Stochastic Volatility Model, Idiosyncratic Volatility;MCMC, Particle Filter;
所属学会: 日本ファイナンス学会, 日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE),日本物理学会

Selected info_books and publications

Prospective Studentの皆様へ

(ICS着任(2000.4)-最近(2013.1)の研究活動について)
ご参考まで

(Annotated working paper list)

・ Stochastic Vine Copula -Particle Filtering Approach-

GPIFの委託研究に関連した研究。
資産クラスの相互依存構造をstochastic vine copulaで表現する。
分布の裾依存性を規定するパラメータが確率的時変構造をもつ多次元copula関数をparticle filterにより推定し、CVaR最小化による最適資産配分問題を考察する。
「混ぜたら危険」な下方共変動性をもつ資産クラスへの投資を行う際のリスク管理法を提供する。
 JAFEE2012年冬季大会(筑波大学、2013年1月25日)にて発表
 Proceedings of the 37-th JAFEE meeting (2012:Winter), 100-111.

・Modeling and Estimation of Pairs Trading Dynamics using

Stochastic Volatility Model and Bayesian Inference
(with Napoleon)
stochastic volatility(SV) noiseをもつ共和分関係の研究。
noiseの分布はGeneralized Hyperbolic(GH) Skewed-t分布を用いる。
推定には,particle filterとMCMCを組み合わせたadaptive particle MCMC法を用いる。並列計算に適合するalgorithmであるため、GPU computingも研究している。応用例として、株式のpairs tradingを考察する。従来のADFテストでは、2段階推定を行っているが、ここでは、上記の推定法で、共和分係数とSV noiseのparameterの同時推定を行う。
JAFEE2012年夏季大会(成城大学、8月4日)にて発表
Proceedings of the 36-th JAFEE meeting (2012:Summer), 194-205.

・Dynamic Factor Stochastic Volatility Models with Idiosyncratic Stochastic Volatilities
-Particle Filtering Approach-

 JAFEE2011年度冬季大会(筑波大学東京キャンパス、2012年3月12日(月))にて発表.
Proceedings of the 36-th JAFEE meeting (2011:Winter), 59-70.

マルチ・ファクターモデルの共通ファクターに
クロスレバレッジ付き多変量確率ボラティリティ(MSVL)モデルを、
固有リターンに単変量レバレッジ付き確率ボラティリティ(SVL)モデルを適用する。
固有リターンの分布には、歪度、尖度を表現する自由度の高いGeneralized Hyperbolic Skewed-t分布を用いる。
この統計的推定は、MCMCではなく、粒子フィルター法を用いて効率的に行われる。
実証分析では、Fama-French 3 ファクターとTOPIX500の個別株式(1981-2010の30年間の日次データ)を用いて、パラメータ推定を行い、ボラティリティ・パズルの検証、本モデルから得られる特徴的な説明変数を用いたリターンの予測可能性などを考察する。最後に、本モデルのCVaR最小化による投資戦略を幾つかの期間でバックテストし、その有効性を検証する。

・Asymmetric Leverage of Stochastic Volatility Model
- Particle filtering approach -

 copula関数に基づくasymmetric leverage dependent structure
 をもつ新たなstochastic volatility modelを研究し、
 particle filterによるその効率的推定方法を提案する。
 その応用として、volatility puzzle問題に関連して
Idiosyncratic Volatility(IVOL)と実現リターンとの関係や,
 本論文で新たに提案する説明変数
  Idiosyncratic Composite Screening(ICS) factor
を用いた実現リターンの予測可能性について言及する。

JAFEE2011年夏季大会(慶応大学、10月15日)にて発表
 Proceedings of the 35-th JAFEE meeting (2011:Summer), 241-252.

・Stochastic Copula Model

 標記の多次元モデルの統計的推定方法とそのファイナンスへの応用
 についての研究。dynamic asset allocation, option pricing,
risk managementなどへの応用が可能.周辺モデルとして、
 レバレッジ付きの確率的ボラティリティモデルやその拡張モデル(SVL++)
 を考えている。これらは、MCMCやparticle filterなどの
 統計的手法を用いて推定を行うことができる。
 関連する話題として、最小分散ポートフォリオ、volatility puzzle、
 CVaR最小化等の最適化を組み合わせた投資戦略構築などが考えられる。
  なお、本研究プロジェクトは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)
 からの外部委託研究(2011-2012年度)
「長期運用を前提とした公的年金積立金運用の枠組みについての基礎的研究」
の一環として行われている。
"Interacting Copulas via Stochastic Tail Dependence
- Bayesian Inference Based on a Multi-Move Sampler-"
(with Yuki Nozawa)
Bayes統計に基づくMCMC法を用いて多変量のstochastic copulaの推定を行う。
Gaussian copulaを選択すると、stochastic correlation (matrix) modelとなる。
周辺モデルもSVモデルを選ぶとHestonのSVモデルの多次元版となる。
tail dependenceをもつcopulaを選択すると、非対称な共変動現象をもつ資産クラスの
変動を説明するモデルを構築することが可能となる。
例えば、downside riskを考慮したasset allocationや
non-Gaussian multi-asset optionの評価等に応用できるであろう。

JAFEE2010冬季大会(中央大学、12月4日)にて発表
日本ファイナンス学会2011年第19回大会(早稲田大学、5月14日)にて発表

・連続時間レジームシフトモデル:

相互作用のあるIto-Poisson processに従う資産への動学的最適投資戦略を確率微分効用最大化問題を解き導出する。物理化学、生物学で研究されている反応拡散系のfinanceへの応用。信用格付けの変化や景気変動、経済状況のレジームシフトに応じて価格変動する証券、健康状態の推移に応じて保険金の支払いが発生する保険契約等の最適取引戦略にその応用が考えられる. 最適解はjump付きBSDEの適合解によって特徴付けられ、対応する連立integro-PDEsを解く数値計算algorithmが提案される.
"Dynamic Investment Strategies to Reaction-Diffusion Systems
Based upon Stochastic Differential Utilities",(with A.Kashiwabara),
Asia-Pacific Financial Markets,Vol.18,No.2,(2011),131-150

・ "Dynamic Pair Copula: Analysis of Stochastic Tail Dependence and Consitional Value-at-Risk" (with Nozawa)

JAFEE2010夏季大会(於成城大学)7月31日発表
2変量の相互の依存関係を、tail dependenceが確率的に変動するdynamic copulaで定式化し、
 それぞれの周辺分布をleverage効果をもつstochastic volatility modelで表した
 より一般的な確率モデルの研究. 潜在変数を含むこれらのstochastic tail dependence,
 leveraged SV modelの新たな推定方法を提案し、CVaR最小化によるefficinet frontier等の特徴
 を明らかにする。また、「最小分散ポートフォリオ」、「低ボラティリティ運用」、
「固有ボラティリティ」との 関連性について言及する。なお、今回、研究するモデルは、
dynamic Gaussian copulaを選択するとHestonの1変量SVモデルを2変量に拡張した
stochastic volatility&stochastic correlation modelを包含する。
Proceedings of the 33-th JAFEE meeting (2010:Summer), 335-357

・Multivariate Dynamic Copula Models and Their Applications to Asset Allocation

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)からの外部委託研究。
リスク管理やCDS,CDOのpricingで用いられるcopula 関数を多次元・動的化し推定する方法を提案。
それらのcopula modelに基づき、資産クラスの動的な依存構造を捉え、
下方リスクを考慮した多期間最適化問題を解き、最適なasset allocationを計算する。

"多変量・動的コピュラ関数を用いたアセット・アロケーション" (共著者:横内大介氏)

2010年度日本ファイナンス学会大会、2010年5月22日上智大学(四ツ谷キャンパス)にて発表;JAFEE2010夏季大会(於成城大学)7月31日発表
Proceedings of the 18th NFA meeting (2010), 157-166.
Proceedings of the 33-th JAFEE meeting (2010:Summer), 347-358

・Robust Convergence Trading with Stochastic Volatility

 and Implementation by Particle Filters
spread資産が平均回帰性をもつstochastic volatility processに従うときの、
robust convergence tradingの研究。
想定したモデルの不確実性がperformanceに与える影響を、
確率的微分効用最大化問題のHJB方程式を解いて分析する。
spreadの従う確率微分方程式の推定には、particle filter,MCMC,
bridge samplingを用いたBayes推定を行う。spreadとvariance procesには
相関があるモデルをここでは取り扱うため、所謂、leverage effectを見ることが可能である。
Proceedings of the 32-th JAFEE meeting (2009:Winter), 421-440

・Idiosyncratic volatility and robust portfolio strategy:

リスク資産の期待リターンの予測可能性に関して、Fama-French model
のidiosyncratic volatilityの実証研究がなされている。
本研究では、投資家の最悪シナリオを避けようとするrobust portfolio strategy
を確率volatility modelで準解析的に構成する方法を提示し、
上記のasset pricing問題に対するそのimplicationを考察する。
Robust Portfolio Strategies in A Stochastic Volatility Model:
A Distortion Solution Approach
Proceedings of the 31-th JAFEE meeting (2009:Summer), 133-149 .

・Fund of Funds:

年金基金や投資信託、ヘッジファンド等の運用は、投資家(委託者)と
ファンドマネージャー(代理人)との間の契約に基づく代理投資であり、
両者の情報の非対称性により、agency問題を抱えている。
リスク鋭感的確率制御(risk-sensitive control)で使われる目的関数を、
model riskを考慮したrobust versionに拡張し、経済学でお馴染みの
principal-agent理論の枠組みで、ファンドマネージャーの最適報酬や、
平均回帰性のある危険資産に対する最適投資戦略を導出する。
更に、直接投資でなく、このような代理投資の場合に、市場の歪み
を利用するconvergence tradingでそのrisk exposureを安定的にとれる
領域がどのように影響を受けるかを考察する。
"Robust Delegated Portfolio Management with Model Uncertainty"
JAFEE2008年冬季第30回大会発表(筑波大学 東京キャンパス)
Proceedings of the 30-th JAFEE meeting(2008:Winter),273-291.

上記の研究で観測されるspread processの情報が不完全で、
かつモデルリスクがある場合に、最適投資戦略、最適報酬、
spreadの安定域が如何に影響を受けるかを考察する。

Information Quality and Model Uncertainty
in Delegated Portfolio Management
Proceedings of the 17th NFA meeting (2009), 395-404.

・Liquidity Risk:

投資家、market-makerのsearch-based modelに基づく
model uncertaintyを考慮したliquidity risk premiumの研究。
"Search-Based Liquidity Premium with Model Uncertainty"
(with S.Kobayashi, K.Ohashi, 準備中)

・利鞘工学:

粗にして野だが卑ではない理財工学(死語).
mispricing(利鞘;spread)を利用したヘッジ・ファンド等の
robust convergence tradingについて;

(c) Robust Yield Curve Arbitrage:
Yield curve上の複数個のmisprice点の利鞘が解消することを利用する
連続時間のrobust convergence trading strategy構成法についての研究。
mispriceを1点に限定すると、yield curve arbitrageの実務でよく使われる
(static) butterfly tradingの拡張版(連続時間のdynamic modelで、
かつ、model riskを考慮したという意味での拡張)が得られる。
数値実験で、通常のstaticでnon-robustなものに比べて、
かなり良好なperformanceが得られることを確認することができる。
Affine type multi-factor interest rate model, relative entropy,
SDU, BSDE, HJB方程式が用いられる。
"Robust Yield Curve Arbitrage in Hedge Funds under Model Uncertainty", 
第29回JAFEE大会 (2008年8月2日成城大学)発表
Proceedings of the 29-th JAFEE meeting(2008:Summer),169-183.

(b) spreadのみが観測でき、convergence levelが不確実で、
直接、観測するのが難しいという部分情報下で連続時間の
最適取引戦略を研究する。spreadの真の変動過程を記述する
モデルの選択に関する選択の誤り(モデル・リスク)を考慮した、
頑健な取引戦略の導出方法を提案する。 確率微分効用理論、
filtering, BSDE、HJB方程式などを用いる。
Robust Convergence Trading of Hedge Funds
with Model Uncertainty under Partial Information
第28回JAFEE大会 (2007年12月22日中央大学駿河台記念館)発表予定;
Proceedings of the 28-th JAFEE meeting(2007:Winter),277-296.

(a) mispricing(利鞘;spread)のdivergence riskとそのconvergence timingに関する不確実性, 真のreturn dynamicsについての不確実性、
予期しない形で突発的に発生するevent riskを考慮した、
arbitrageurの頑健で最適な動的取引戦略を導出する。
確率微分効用理論、BSDE、HJB方程式を用いる。
Robust Convergence Trading of Hedge Funds with Event and Model Risks, Proceedings of the 27-th JAFEE meeting(Meiji Univ.), (2007:Summer),123-141.
Robust Convergence Trading of Hedge Funds under Partial Information - Application of BSEs to Finance -,
三浦先生還暦記念シンポジウム、3月3日,2007年.

・Robust Dynamic Asset Allocation under Inflation Risk:

まず最初に、我が国のゼロ金利解除に適合したJump-Diffusion processに従う名目、実質金利の期間構造モデルを構築し、無裁定原理から一般化されたFisherの関係式を導出する。次に、この枠組みで記述される(名目)債券, 物価連動債(TIPS)の変動過程を用いて、株式、(名目)債券、TIPSを投資対象としたインフレ・リスクのもとでの動的アセットアロケーション問題を考察する。相対エントロピー制約付きのロバスト最適化問題を解くことで、モデル選択の不確実性を考慮した最適な投資比率が得られ、同時に、最悪シナリオに対応するEMMが同定される。
Proceedings of the 15th NFA meeting (2007), 268-277.

・Robust Surplus Management:

robust utility maximizationの枠組みでのAsset-Liability Management(ALM)モデルの研究。資産-負債のreturn dynamicsとして、線形ファクター型のdriftをもつjump-diffusion processを仮定する。この選択したfactor modelが真のmodelと異なるかもしれないというモデル選択の不確実性を考慮した頑健なportfolio選択問題を解く。相対エントロピー制約のもとで、この問題は確率微分効用(SDU)最大化問題に帰着させることができることを、martingale最適性原理を用いて証明する。所与のfunding ratioのもとで、この最大化問題を解き、最悪シナリオをもたらす確率測度と資産-負債の最適構成比率を導出する。最後に、モデル選択の誤りが起きる確率を計算する。
"Robust Surplus Management in a Jump-Diffusion Factor Model",
Proceedings of the 26-th JAFEE meeting (Hosei Univ.), (2006:Winter),221-234.

・Robust Utility Maximization:

通常、投資家は、投資の問題を考える際、危険資産のリターンのモデルを何か仮定し、最適投資比率や最適消費を計算する。投資家が選択したモデルが真のモデルと異なるかもしれないという、所謂、モデル選択の不確実性に起因するリスクを考慮した最適投資・消費問題が本稿のテーマ. jump-diffusion processに従うfactor return modelを仮定し、モデル選択の不確実性を表現するのに、priorの確率測度集合Qを導入する. そのなかで、期待効用が最小となる最悪シナリオ(確率測度Q*)を同定し、更に、Q*のもとで、投資戦略をコントロールし、最悪シナリオを改善するというようなsup-inf問題を、実確率とQとの間に相対エントロピー制約がある場合(確率微分効用最大化問題となる)とない場合で解く.
"Robust Utility Maximization in Jump-Diffusion Factor Models"
Proceedings of the 25-th JAFEE meeting(Waseda Univ.),(2006:Summer), 155-172.

・Random Time-Horizon:

社債、生命保険などの証券、契約はそれぞれ信用リスク、死亡リスクに晒されており、定められた満期をもっていたとしても、満期以前にこれらのリスクが顕在化し、運用するポートフォリオから消滅してしまうということがある。本論文では、確率微分効用(SDU)に基づき、このような不確実な満期をもつ資産に対する最適消費・投資戦略を研究する。BSDEに従う従来のSDUを、リスクの発生時刻(停止時刻)のハザード率、生存確率、wealth等の状態変数に依存したFBSDEに従うものに拡張し、確率最大原理を適用することで、最適解(消費、投資比率)を導出する。
"Optimal Consumption and Investment Strategies Based upon Stochastic Differential Utilities with Uncertain Time-Horizon"
Proceedings of the 14th NFA meeting[June 17, Tokyo Univ.] (2006), 24-33.

・確率微分効用理論に基づく下方リスクを考慮した最適投資モデル:

下方リスク(shortfall, 下方確率)の制約下における確率微分効用最大化問題を解き、最適ポートフォリオと最適消費を導出する. これらは一組のFBSDEの解として特徴付けられ、数値計算(4-step scheme)により求められる.
"Dynamic Investment Models with Downside Risk Control
Based upon Stochastic Differential Utilities"
(The 23-th JAFEE meeting (Aug.6.;Keio Univ.) proceedings(2005:Summer),278-294.)

・動学的プリンシパル-エージェント問題

プリンシパルとエージェントは、例えば、投資家とファンドマネージャー、株主と企業経営者など、ファイナンス分野でよく現れる関係である。本論文では、動学的な設定で、エージェントの最適な努力、最適なプロジェクト選択、プリンシパルからエージェントへの最適な対価の支払いが完全情報下と部分情報下(例えば、エージェントの行動が観察不能等)で考察される。プリンシパルとエージェントは確率微分効用(SDU)に基づき意思決定を行うとする.これらの最適解はFBSDEの適合解により特徴付けられることが示される。
"Dynamic Principal-Agent Problem Based upon the Stochastic Differential Utility"
第54回理論応用力学講演会proceedings(2005 年1 月25 日報告、 日本学術会議)
Proceedings of the 13th NFA meeting[June 12,Yokohama Nat.Univ. ](2005),689-703.

・最適リスク移転、証券創造:

2つのエージェント(例えば、銀行とリスクを引き受ける投資家)間で新たな証券創造により、リスクの移転を行う際の、諸問題の研究。両エージェントは確率微分効用(SDU)に基づき意思決定を行うとし、確率最大値原理から導かれる最適性の必要条件を解くことにより、あるFBSDEの適合解で特徴付けられた最適リスク移転、最適消費、最適投資戦略が導出される。最適性の十分条件はBSDE理論の比較定理を用いて証明される。更に、SDUのもとでの確実性等価原理から証券の価格付けが考察される。
"Optimal Risk Transfer and Investment Policies Based upon Stochastic Differential Utilities",
The 22-th JAFEE meeting (Dec.24.2004;ICS) proceedings(2004:Winter),420-439
The 7-th JAFEE International Conference (Mar.14.2005;ICS) proceedings,113-131
Asia-Pacific Financial Markets, 12(2005),375-403.
http://www.springerlink.com/content/v0x16v365u556081/

・投資制約つき最適投資問題:

投資制約のある非完備市場での連続時間最適ポートフォリオ・消費選択問題に対するduality methodによる解析解の導出、確率金利のもとでの株・債券に関する最適アセット・アロケーション
"Explicit Solutions of Constrained Portfolio Optimization
for a Linear Single Factor Model - Duality Approach -
The 21-th JAFEE conference proceedings(2004:summer),304-318.

・確率微分効用理論:

確率微分効用理論(再帰的効用の確率変動版)に基づく最適ポートフォリオ・消費選択問題と前向き-後向き確率微分方程式(FBSDE)の数値計算法
"Numerical Approach to Asset Pricing Models
 with Stochastic Differential Utility"
Asia-Pacific Financial Markets, 11(No.3)(2004),267-300.

・インフレ連動債:

今年、わが国でもようやく発行された物価連動債に関する研究.インフレリスク下での最適ポートフォリオ・消費選択問題とTIPS(インフレ連動債)の非完備市場における評価
"Term Structure Model of Inflation and Pricing TIPS
in the Incomplete Market",
The 19-th JAFEE conference proceedings(2003:Summer),105-124.

"Term Structure Model of Inflation with Jump-Diffusion Processes
and Pricing TIPS in the Incomplete Market",
The 20-th JAFEE conference proceedings(2003:Winter),279-294.

・下方リスク:

下方リスク等を考慮した確率金利下での株式・債券の最適ポートフォリオ・消費選択問題
"Optimal Investment Strategies with VaR and Upside-Chance Constraints
 in the Stochastic Interest Rate Economy"
The 18-th JAFEE conference proceedings(2002:winter),126-144.
Malliavin calculusによる非線形損失関数への拡張部分を追加
The 11-th NFA meeting proceedings(2003),202-216.

・Jump-Diffusion Process:

Jump-Diffusion Processによるoption評価、最適取引戦略:
非完備市場で幾つかの特徴的なJumpのある資産に関する最適取引戦略を双対問題を解くアプローチで研究. 同定されたEMMのもとで高速Fourier変換(FFT)によりオプションを評価
"Dual Optimization in the Incomplete Market Driven 
by Jump-Diffusion Processes",
The 10-th NFA meeting proceedings(2002), 168-182.
The 6-th Columbia=JAFEE International Conference
proceedings(2003),544-562.

・証券化:

MBSの評価
"Valuation of Mortgage-Backed Securities Based upon a Structural Approach",
The 9-th NFA meeting proceedings(2001),49-63.
Asia-Pacific Financial Markets8,No.4(2001), 259-289.
"Valuation of MBS by stochastic hazard rate",(with T. Shibasaki),
The 15-th JAFEE conference proceedings (2001:summer), 205-220.

・信用リスク:

Longstaff-Schwartz modelの誤りについて言及. 正しい処方箋に基づき幾つかの応用例を計算.
"Extended Merton Model and Its Applications",
The 16-th JAFEE conference proceedings(2001:winter),28-41.
「拡張Mertonモデル」, 一橋論叢10月号p.91-106. [The Hitotsubashi Review Vol.126, No.4 (October)(2001),91-106].
「拡張Mertonモデルとその応用」, 日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE)学会誌『ジャフィー・ジャーナル』(査読有), 編者:津田博史, 山田 雄二, 朝倉書店、2007年度発刊予定.

・Quantile Hedge:

Quantile Hedgingのcorporate financeへの応用
"Quantile Hedging Strategies in the Acquisition of a Defaultable Firm",
The 8-th NFA meeting, proceedings(2000),39-48.
"Quantile HedgeによるDynamic Asset Allocation",
第44回OR学会Symposium(東工大) (2000).

なお、上記で, NFAは日本ファイナンス学会(http://www.nfa.gr.jp/)の略、
JAFEEは日本金融・証券計量・工学学会(http://www.jafee.gr.jp/)
Japanese Association of Financial Econometrics and Engineering)の略.

書籍

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ファイナンスのための計量分析

過去20年間にわたって、金融・証券市場の数量分析は飛躍的に発展した。研究・実務の両方において、洗練された統計的手法がポートフォリオ・マネジメント、リスク・マネジメント、コンサルティング、金融規制などの様々な局面で日常的に用いられるようになってきている。そうした状況で、本書はMBAの学生や実務の専門家を主対象として書かれた、本格的「ファイナンスのための計量分析」のテキストである。