コンセプト

一橋大学の伝統を受け次ぎ、未来のリーダーを育む

一橋大学は、140年の歴史の中で、産・官・学のリーダーを輩出し続けてきました。ビジネスの高度化とグローバル化が進む今日、確かな金融知識を備えたリーダーの育成が社会的要請となっています。

一橋大学大学院国際企業戦略研究科(現、一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻(School of International Corporate Strategy, ICS))は、そのような社会的要請に応えるべく、2000年に金融戦略コース(2006年に、金融戦略・経営財務コースに名称変更)を創立。これは2018年から一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻(School of Business Administration, SBA)の金融戦略・経営財務プログラムになりました。
日本の金融の中心である東京・大手町や丸の内にほど近い千代田キャンパスに校舎を構え、金融の深い知識と広い視野を持った世界で活躍するリーダーの育成に取り組んでいます。

プログラムディレクターからのメッセージ

生成AIの急速な進展により、ビジネスにおける意思決定の前提は大きく変わりつつあります。情報の収集や分析、さらには一定の判断までもが自動化される時代において、金融戦略・経営財務プログラムが授与するMBAという学位の意義も、いま改めて問い直されていると考えます。
くわえて、地政学的リスクや市場環境の変動が常態化する今日においては、過去の延長ではない思考が求められていくことは避けて通れません。
こうした環境の変化をふまえて、本プログラムは従来より重視してきた「ファイナンスに関する理論・実践両面の知識」と「データ分析能力」を中核に据えながらも、その意義を再定義し、さらに発展させていきます。具体的には、生成AIを適切に活用しながらも、そのアウトプットを多角的・批判的に検討することを通じて、自身が直面するビジネスシーンにおける本質的な課題を見極める力、そして不確実な状況のもとで自らの責任で意思決定を行う力を備えた専門的職業人の育成を目指します。

一橋大学大学院 経営管理研究科 教授
プログラムディレクター 中川 秀敏

本プログラムの特徴は、第一に、ファイナンスやデータ分析の学術的知見を研究者レベルの高い水準で学ぶことにより、経営や資本市場を俯瞰的に捉える視野を養う点にあります。第二に、修士論文作成のためにデータ処理や実証分析を自分の手で実践することを通じて、意思決定に必要なデータを自ら収集・整理・分析する能力を身につける点です。第三に、アカデミック教員だけでなく、第一線で活躍する実務家教員や多彩なゲストとの密接な対話を通じて、理論と実務の間でフィードバックを重ねながら、学びを具体的な意思決定へと結びつける力を養う点にあります。
これらは、一橋大学の特徴である社会科学分野のアカデミックの厳密さと、強い実践志向という双方の強みを体現するものと考えます。ゼミ(演習)を中心とした学修環境のもとで、多様なバックグラウンドを持つ学生が互いに切磋琢磨し、ファイナンス理論とデータ分析という現代ビジネスにおけるグローバルな共通言語を軸に、強固な人的ネットワークを築いていっていただきたいと考えます。
特に、キャリアの節目を意識されている方にとっては、「何を知っているか」だけでは十分ではなく、「どのように問い、どのように決断するか」がますます重要になるでしょう。生成AIが急速に高度化する時代だからこそ、人間に求められる意思決定の質が問われていると考えます。本プログラムでの学びを通じて、不確実性の高い環境においてもビジネスを前に進めることのできる、確かな実力を身につけていただくことを期待しています。