2016年07月05日
修了生向けイベント
FSファイナンスクラブとは、FS金融戦略・経営財務プログラム卒業生とゲストが集い、最新の話題にふれて意見を交換すると共に、新たな仲間と知り合ってネットワークを広げる集まりです。
2016年8月10日(水)に、「エコノミスト業務の変遷からみた運用ビジネス」といった題目で、2014年3月に FSプログラムを修了されて、現在は博士課程に在籍中の安達 誠司氏(丸三証券経済調査部長)にご講演いただきました。
【開催概要】
■ 日時:2016年8月10日(水)
19:00-20:00 講演会
20:00- 懇親会
■ 受付開始:18:30
■ 場所:学術総合センター8Fオープンスペース
■ 講演者:安達 誠司氏(丸三証券経済調査部長)※2014年3月MBAコース修了。現在FSプログラム博士課程に在籍中。
■ 講演タイトル:「エコノミスト業務の変遷からみた運用ビジネス」
■ 講演内容:
約20年間にわたり、いわゆる「セルサイド・エコノミスト」という業務に従事してきましたが、振り返ってみると、業務内容が大きく変化してきたことを実感しています。
90年代半ばの金融危機(山一、三洋証券、北海道拓殖銀行等の経営破綻)以前は、オーソドックスな、中規模のマクロ計量モデル(方程式数でいえば、定義式を含めると300本程度)に基づく2年程度の経済予測の提供とそのフォローアップが主要業務でしたが、金融危機後、「日本版金融ビッグバン」により、欧米の外資系証券会社が本格的に進出して以降、顧客(バイ・サイド、運用会社)に対するサービス内容が激変しました。具体的には、従来の「精緻」な分析よりも、(「質」は幾分落ちますが)高頻度な情報提供、投資アイデアの提供(必ずも「検証」は必要とされない)、マーケットに「サプライズ」をもたらすような情報提供に対して、よりバリューが出てくるような時代に変わってきました。
そして、2000年の「ITバブル」の崩壊以降は、日本株市場の地盤沈下にともない、特に海外投資家を中心に「日本専門家」の退出が相次いだことから、ますます分析の精緻度は求められなくなってきました。また、より高いフィーを支払ってくれるヘッジファンドの台頭によって、彼らのニーズに応えるという意味で、政府や中央銀行関係者、及び、政策に大きな影響を与える経済学者とのミーティングの設定などが重要な仕事になってきました。「分析家」という本来のエコノミスト業務の重要性が低下するという状況に直面し、『実務』と「アカデミズム」の格差が拡大しているように思います。
【これまでの開催報告】
第1回(2012年11月30日)、 第2回(2013年7月19日)、 第3回(2013年10月18日)、 第4回(2014年2月28日)、 第5回(2014年7月28日)、 第6回(2015年3月13日)、 第7回(2016年2月19日)